創業家の反対によって合併が難航している石油元売り大手の「出光興産」と「昭和シェル石油」は新たな対応策として、合併の前の段階で株式を持ち合う資本提携を検討していることが明らかになりました。両社の関係を維持することで将来の合併につなげようという狙いです。
石油元売り大手の「出光興産」と「昭和シェル石油」は合併を目指していますが、大株主である出光の創業家が反対していることから、両社はことし10月、説得の時間を確保するとして、来年4月としていた合併時期を期限を設けずに延期しました。
しかし、その後も創業家が会社側との協議に応じていないことから、両社は新たな対応策として、合併の前の段階で株式を持ち合う資本提携を検討していることが関係者への取材で明らかになりました。
具体的には、出光が互いの経営の独立性を保つことができる比率である24.9%の昭和シェル株を保有し、昭和シェルはTOB=株式の公開買い付けや第三者割当増資によって20%の出光株を取得することを検討しているということです。
両社は資本提携を通じ、国内の製油所の一体運用やガソリンスタンドへの石油製品の供給などで協力することにしていて、関係を維持することで将来の合併につなげようという狙いです。
ただ、出光の創業家は両社の資本提携に対しても反発することが予想され、合併に向けた協議は依然として難航が避けられない情勢です。
-- NHK NEWS WEB