昭和55年に東京の会社社長を殺害したとして殺人などの罪で服役した男性が、「見つかった遺体は別人で、無実だ」として東京地方裁判所に再審=裁判のやり直しを申し立てました。
再審を申し立てたのは、折山敏夫さん(74)です。折山さんは、昭和55年に東京・田園調布に住む知り合いの会社社長(当時56)を殺害して預金などをだまし取ったとして殺人や詐欺などの罪に問われ、無罪を主張しましたが懲役20年の有罪判決が確定しました。
10年前に服役を終えたあとも無実を訴え、31日に東京地方裁判所に再審を申し立て、弁護団とともに会見しました。
有罪の根拠は、捜査段階で社長の遺体を福岡県内に遺棄したことを供述し、実際にその場所で見つかっていた男性の遺体が社長のものだと確認されたことなどでした。
これについて弁護団は、社長が殺害されたとされる7月25日よりあとに本人が書いたと見られるメモや、8月に書いたと解釈できる記述がある本人の日記帳が見つかったとして、「遺体は別人で、無実だ」と主張し、メモなどを新たな証拠として裁判所に提出したということです。
折山さんは、「やっていない事件の犯人にされ、悔しくてしょうがないです。まずは、再審を申し立てられて安心しています」と話していました。
-- NHK NEWS WEB