アメリカのIT企業、アップルが先月末、中国で行っているスマートフォン向けのアプリ配信サービスから、国内で規制対象となっているインターネットサイトの閲覧に利用されているアプリの一部を削除したとして、複数のアプリ制作会社が抗議声明を出し、利用者の間などで波紋が広がっています。
中国政府は、政府に批判的なネット上の言論への統制を強めていて、国内にサーバーのない世界最大の交流サイト「フェイスブック」や、動画投稿サイト「ユーチューブ」などは規制対象として閲覧を禁止しています。
このため、中には、こうした規制の網をくぐり抜けて、規制対象のインターネットサイトを閲覧できるVPNと呼ばれるサービスを利用している人もいます。
ところが、アップルが中国で行っているスマートフォン向けのアプリ配信サービスで、VPNのアプリを提供している複数の制作会社によりますと、先月末、アップル側から、「このアプリは中国では違法なものだ」としてアプリ配信サービスから削除されたということです。
これを受けて、複数の制作会社はホームページ上で、「言論の自由をおびやかすこれらの措置を強く非難する」などと抗議声明を出したほか、ネット上でも「国には失望した。いっそのこと鎖国すればいい」といった批判の声が相次ぐなど、波紋が広がっています。
インターネットを厳しく管理している中国では、ことし1月以降、当局の許可なくVPNのサービスを提供することを禁止すると発表していました。
-- NHK NEWS WEB