学校法人「森友学園」による補助金詐欺事件で逮捕された籠池泰典前理事長が、小学校の建設工事の設計会社から「当初の見積もりより実際の工事代金が少なくなり、補助金が減らされる可能性がある」と伝えられていたことが、関係者への取材でわかりました。大阪地検特捜部は補助金の上限額を受け取るため前理事長らが工事代金を水増しした疑いがあると見て調べています。
森友学園の前の理事長、籠池泰典容疑者(64)と、妻の諄子容疑者(60)は、大阪・豊中市で行っていた小学校の建設工事で、国の補助金5600万円余りをだまし取ったとして、先月31日、詐欺の疑いで逮捕されました。
弁護士によりますと、籠池前理事長は取り調べには何も話さず、諄子容疑者も黙秘しているということです。
森友学園はおととし7月、小学校の工事代金を22億円前後と見積もって補助金を申請し、その年度は5600万円余りを上限に補助金が支給されることが決まりました。
しかし、関係者によりますと実際の工事代金は15億円余りで、籠池前理事長は小学校の設計会社から「当初の見積もりより実際の工事代金が少なくなり、補助金が減らされる可能性がある」と伝えられていたことがわかりました。
前理事長はこのあと、工事代金を当初の見積もりに近い23億円余りとする契約書を提出していて、特捜部は補助金の上限額を受け取るため工事代金を水増しした疑いがあると見て詳しい経緯を調べています。
-- NHK NEWS WEB