トンネルや橋などのコンクリートのひび割れを人工知能を使い短時間に高い精度で検出して記録するシステムをNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構などのグループが開発しました。
新たなシステムはトンネルや橋などの画像を撮影して読み込ませると、コンクリートにあるひび割れを短時間に検出して大きさや場所を記録するもので、NEDOや産業技術総合研究所、それに高速道路の点検事業を行う企業などが協力して開発しました。
都内で行われた会見では、実際にコンクリートが置かれ撮影した画像にひび割れが赤い線で表示される様子が公開され、担当者はこれまでの人の目視による点検よりも作業が10倍早くなることが期待できると説明していました。
システムの人工知能は、多くのひび割れが写っている600枚の画像から特徴を学んでいて、幅が0.2ミリ以上のひび割れを80%以上の精度で検出できるということです。グループではインターネット上でこのシステムを公開して事業者に使ってもらいながら機能を検証し、来年度の末までに実用化を目指したいとしています。
開発に参加した企業の佐藤久さんは「高速道路などの社会基盤は老朽化が急速に進んでいて、人工知能を使って作業の効率化を図りたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB