東京のコンサルティング会社の役員など3人が、経理業務を委託されていた会社の資金から3億8000万円を流用したとして業務上横領の罪に問われた裁判で、2審の東京高等裁判所は1審の実刑判決を取り消し、いずれも無罪を言い渡しました。
無罪を言い渡されたのは東京のコンサルティング会社、ファースト・コンサルの役員柴垣敏久さん(57)や社員で公認会計士の資格を持つ竹中豪さん(40)など3人です。
3人は平成22年に、経理業務を委託されていた広告代理店の口座から別の会社の口座に合わせて3億8000万円を振り込んだとして業務上横領の罪に問われました。
被告側は、投資事業の資金として広告代理店のために振り込んだと主張しましたが、1審の東京地方裁判所は「コンサルティング会社の資金などに流用する意図があった」としていずれも実刑判決を言い渡し、3人が控訴していました。
2審の判決で東京高等裁判所の栃木力裁判長は「振り込みは広告代理店側との協議に基づいて行われたもので、横領の罪は成立しない」と指摘しました。
そのうえで「1審が判断を誤った理由は当事者に十分な主張をさせなかったことにあり、訴訟手続きの違法は極めて大きい」として実刑判決を取り消し、3人に無罪を言い渡しました。
-- NHK NEWS WEB