アメリカのトランプ次期大統領は、通信大手ソフトバンクグループがアメリカに5兆円以上の投資を行う計画について、みずからの演説でも紹介し、雇用創出など次期政権に向けた成果としてアピールしたい思惑があると見られます。
アメリカのトランプ次期大統領は6日、ソフトバンクグループの孫正義社長と会談し、2人はソフトバンクグループがアメリカに500億ドル(日本円で5兆7000億円)の投資を行い、5万人の雇用を創出するとした計画を明らかにしました。
これについて、トランプ氏は、同じ日に南部ノースカロライナ州で行った演説でも言及し、孫社長を親しみを込めて「マサ」とファーストネームで呼び、「マサは日本のすばらしい人物だ。われわれが選挙で勝利したから、彼は500億ドルを投資し、5万人の雇用が生まれることになった」と、称賛しました。そのうえで、「トランプ政権は、ひどい貿易協定は再交渉するし、雇用の敵は打ち負かし雇用を守る。これは戦争だ」と述べ、国内の雇用創出を重視する姿勢を示しました。
トランプ氏は、今月1日、中西部インディアナ州の空調機器メーカーの工場を訪問し、このメーカーがメキシコへの工場移転計画を撤回したことを評価して、国内の雇用を守る考えを強調しています。大統領選挙でトランプ氏は、国内の雇用創出を最優先課題の1つに掲げており、ソフトバンクグループが投資を表明したことに対しても次期政権に向けた成果として最大限アピールしたい思惑があると見られます。
-- NHK NEWS WEB