520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故から今月12日で32年となるのを前に、日本航空の新入社員たちが機体の残骸や乗客の遺品などを展示する施設を見学し、「空の安全」への思いを新たにしていました。
7日は日本航空の新入社員16人が、羽田空港にある安全啓発センターを訪れ、担当者の説明を受けながら群馬県の山中に墜落したジャンボ機の機体の残骸や乗客の遺品、事故の経緯をまとめた資料などを見学しました。
日本航空では事故のあとに入社した社員が9割を超えていて、5年前からはグループの全社員が施設を見学することになっています。
来館者は平成18年の開設以降、延べ20万人を超え、半数以上は社外からの見学者で、運送業や建設業、IT企業など幅広い業種の人たちが、安全を考える場として利用が広がっているということです。
新入社員の男性は「命を預かる責任の重い仕事だと感じてはいたが、事故の原因となった圧力隔壁などを実際に見て、安全文化を受け継いでいくのが自分たちの使命だと感じました」と話していました。
日本航空・安全推進本部の大城戸智子さんは「社外の方々も非常に多く施設や事故現場を訪れており、安全がいかに大事かということを広く伝える場になっています」と話していました。
-- NHK NEWS WEB