体のさまざまな組織になるiPS細胞を使って、血液の成分から作る血液製剤という薬の製法の確立に成功したと京都市のベンチャー企業が公表し、将来的に不足することが懸念されている血液製剤の新たな供給方法になる可能性があるとして注目されています。
外科手術で出血を止めるためなどに使われる血液製剤は、献血で得られた血液に含まれている血小板から製造しているため、将来的に献血が少なくなると血液製剤の供給が不足すると懸念されています。
京都市下京区のベンチャー企業「メガカリオン」は、京都大学から提供されたiPS細胞から、血小板のもとになる細胞を増やす技術を開発していましたが、大手製薬メーカーなどと協力してこの細胞をほぼ無限に増やして血小板を効率よく作り出し、不純物を取り除いて血液製剤として安定して作る製法を確立したということです。「メガカリオン」などは来年にも製造した血液製剤の臨床試験を始め、3年後には国の承認を得たいとしていて、血液製剤の新たな供給方法になる可能性があるとして注目されています。
「メガカリオン」の赤松健一取締役最高執行責任者は「人口減少などで、献血から作る血液製剤は不足するとされているが、新しい製法で補えるようにしたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB