官民ファンドの産業革新機構の支援を受けて経営再建中の液晶メーカー、「ジャパンディスプレイ」は石川県にある1つの工場の生産を停止したうえで、国内外で3700人を削減する計画を正式に発表しました。
発表によりますとジャパンディスプレイは、主力のスマートフォン向けの液晶パネルの不振を受けて、9日取締役会を開き、国内外の工場の生産体制を抜本的に見直す計画を正式に決めました。
このうち国内では、石川県の「能美工場」のスマートフォン向け液晶パネルの生産ラインをことし12月に停止します。一方、海外では、中国やフィリピンなどにある工場を対象に統廃合など合理化を進める計画です。
そのうえで、国内で240人の希望退職を募るほか、海外で3500人を削減し、国内外で合わせて3700人余りを削減するとしています。これに伴う費用として、およそ1700億円を今年度に計上する見込みです。
また、経営責任を明確化するため東入來信博会長の報酬を来年3月まで月額で20%減額するほか、役員の報酬と管理職の給与についても一部を減額するとしています。
ジャパンディスプレイは、日立製作所と東芝、それにソニーの液晶パネル事業を統合した“日の丸液晶メーカー”として5年前に設立されましたが、業績不振が続いていて、今回、筆頭株主で官民ファンドの産業革新機構が債務保証をしたうえで、取引銀行が総額1070億円の融資枠を設けることになりました。
一方、ジャパンディスプレイは9日ことし4月から6月までの第1四半期の決算を発表し、中国向けの製品の収益が減少したことに加え、今回の生産体制の見直しに伴って特別損失を計上したことなどで、314億円の最終赤字となりました。
-- NHK NEWS WEB