マレーシアで、マレー半島を東西に横断する鉄道の建設が中国の支援で始まることになり、「一帯一路」の構想を掲げる中国にとって、物資を運ぶ新たな手段を確保する狙いがあると見られます。
新たな鉄道は、マレー半島の東部に面するタイとの国境付近から、マレーシア西部のおよそ690キロにわたって建設されるもので、マレー半島を東西に横断します。
鉄道の建設は、去年11月、マレーシアのナジブ首相が中国を訪問した際に、両国の間で合意したもので、およそ1兆4000億円に上る費用の大半は中国からの融資で賄い、建設工事も中国企業が行います。
9日に現地で行われた起工式には中国の王勇国務委員が出席し「この鉄道は『質が第1』とする精神のもと建設される。中国の『一帯一路』にとって主要な事業だ」と述べました。
一方、マレーシアのナジブ首相も「鉄道によってより低コストで大量の貨物を運べるようになる」と述べ、鉄道建設はマレーシア経済にも貢献すると強調しました。
現在、中国が輸出入する物資の大半は海上交通の要衝であるマラッカ海峡を経由していることから、中国にとって鉄道建設を通じて物資を運ぶ新たな手段を確保する狙いがあると見られます。
-- NHK NEWS WEB