東芝の綱川智社長は10日午後、記者会見し、昨年度の決算の発表が終わり、経営再建に向けた課題の一つが解決されたとして、今後は半導体事業の売却交渉に最善を尽くす考えを強調しました。
東芝の綱川社長は10日午後、東京都内の本社で記者会見しました。
この中で、綱川社長は「昨年度の有価証券報告書の提出と決算の正常化によって課題の一つが解決されたと考えている」と述べました。そのうえで、交渉が難航している半導体事業の売却について「産業革新機構などと合意成立を目指して交渉を行っているが、目標期日までに合意に至らなかったため、それ以外の交渉先とも並行して交渉を行っている。来年3月末の売却完了に向けて最善を尽くす」と述べました。
優先的に交渉を進めてきた“日米韓連合”以外の交渉先については、アメリカのメーカー、ウエスタンデジタルと台湾のホンハイ精密工業を挙げ、「独占禁止法の審査を考えると決して容易ではないと思うが頑張りたい」と述べ、債務超過となっている現在の財務状況を改善して株式の上場廃止を避けるためにも、売却交渉を急ぐ考えを強調しました。
一方、昨年度の決算に関連して、会計処理をみずからチェックする内部統制について、監査法人が「不適正」の意見をつけたことについて、綱川社長は「不備を指摘されたのは、アメリカの原子力事業による損失の時期の認識とその会計処理の1点だ。アメリカの原子力子会社が連結決算から外れ、不備が起きる可能性はなくなった。そのほかに不備はないと考えている」と述べました。
-- NHK NEWS WEB