北朝鮮が先月、弾道ミサイルを発射した際に、国内の一部の航空会社が、政府の情報をもとに旅客機の離陸を見合わせていたことがわかりました。政府は、北朝鮮が弾道ミサイルを日本の上空を通過させるなどと発表したことを受けて、引き続き安全確保に万全を期すことにしています。
北朝鮮は10日、アメリカのグアム島周辺に向けた弾道ミサイルの発射計画について「島根県、広島県、高知県の上空を通過し、グアム島の周辺の海上に落ちるだろう」と予告したうえで、計画を今月中旬までに完成させるなどと発表しました。
これを受けて、政府はミサイルが日本に飛来するおそれがある場合にはJアラートなどを通じ国民に緊急情報を発信するほか、日本の排他的経済水域の中に落下する可能性がある場合は、付近の航空機や船舶に向けて、注意を呼びかける情報を発信することにしています。
一方、政府は、先月4日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際には、日本の排他的経済水域の中に落下するおよそ30分前に注意情報を発信しました。政府関係者によりますと、これを受けて、航空会社の「スカイマーク」が安全が確認されるまでのおよそ30分間、予定していた国内便2便の離陸を見合わせたということです。
また、北朝鮮が先月28日に発射した際には、フランスの航空会社「エールフランス」の旅客機が、ミサイル落下の数分前に付近を通過していたと指摘されていて、政府は、引き続き注意喚起の迅速化を進め、安全確保に万全を期すことにしています。
-- NHK NEWS WEB