漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗り、全国の児童養護施設などにランドセルなどを寄付する運動のきっかけを作った男性が、7日、都内で開かれたプロレスのイベントに参加して、支援活動にかける思いを語りました。
この男性は群馬県に住む会社員、河村正剛さん(43)です。
河村さんは7日夜、東京・文京区の後楽園ホールで開かれたイベントに参加し、初代タイガーマスクの佐山聡さんとリングに上がりました。そして、6年前のクリスマスに群馬県内の児童相談所に漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗ってランドセル10個を届けたことを明らかにしました。
河村さんは幼いころ、複雑な家庭環境で育ち、ランドセルも持てなかったため、同じ境遇の子どもたちを支援しようと活動を始めたことを明らかにしたうえで、「子どもたちは虐待されるためではなく、抱きしめられるために生まれてきた。涙を流すためでなく、周りを笑顔にするために生まれてきた。その思いを胸にこれからも支援活動を続けていきます」と呼びかけました。
6年前に河村さんが「伊達直人」の名で贈ったランドセルは大きな反響を呼び、全国の児童養護施設などに贈り物などが相次ぐなど「タイガーマスク」運動と呼ばれる社会現象にもなりました。
河村さんは自分が名乗り出ることにより、施設の子どもたちを社会全体で養護する大切さに気付いて欲しいと思いを述べたうえで、「子どもたちには支援する人たちがいると受け止めてくれればいい。自分の過去は変えられないが、子どもたちの未来は変えることができると思います」と話していました。
-- NHK NEWS WEB