和歌山市にある医薬品の原料メーカーが必要な届け出をしないまま製品に中国製の輸入品を混ぜて出荷していた問題で、メーカー側は混入を始めた理由について和歌山県に対し「在庫を処分するためだった。経営者が利益の確保を優先させた」と報告していたことが県への取材でわかりました。
この問題は和歌山市にある医薬品の原料メーカー「山本化学工業」が解熱鎮痛剤の主な成分となる「アセトアミノフェン」を製造する際、必要な届け出をしないまま価格の安い中国製の輸入品を混ぜて出荷などをしていたものです。問題の発覚後、和歌山県が業務の停止と改善を命じ、これを受けて山本化学工業は先月、県に改善計画書を提出していました。
この中で、混入を始めた理由について「平成20年に製品の試作に使ったものがおよそ13トン残り、在庫を処分するために翌年から混ぜ始めた。経営者が利益の確保を優先させた」と報告していたことが県への取材でわかりました。
一方、計画書では社外の第三者によるチェック体制の確立や製造記録の徹底などを再発防止策として挙げているということで、県は今後、計画書の内容を精査し、製造の再開を認めるかどうか判断することにしています。
-- NHK NEWS WEB