太平洋戦争末期、広島に投下する原子爆弾の部品を運んだあと、日本軍の潜水艦に撃沈されたアメリカ海軍の巡洋艦「インディアナポリス」の船体が、フィリピン沖の5500メートルの海底で発見されました。
これは、アメリカのIT企業、マイクロソフトの共同創業者で資産家のポール・アレン氏が率いる民間の調査チームが19日、発表しました。
アメリカ海軍の巡洋艦「インディアナポリス」は、太平洋戦争末期、広島に投下する原爆の主要な部品を北マリアナ諸島のテニアン島に運んだあと、フィリピンのレイテ島に向かう途中の1945年7月30日、日本軍の潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没しました。
調査チームは、「インディアナポリス」が従来考えられていた海域よりも西の海域で沈んだ可能性が高いという最新の研究結果に基づいて捜索したところ、フィリピン沖の深さ5500メートルの海底で、船体を発見したということです。
調査チームが撮影した映像からは、「インディアナポリス」の識別番号である「35」という数字や、搭載されていた上陸用舟艇の一部と見られる破片にアルファベットで「インディアナポリス」と記してあるのが確認できます。
調査を行ったアレン氏は、「ようやく実現した今回の発見で、この船に関わったすべての人たちがひとつの区切りを感じてほしい」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB