がん患者の遺伝情報を治療に役立てる「ゲノム医療」について、厚生労働省は将来、すべての都道府県で受けられることを目指し、中核となる拠点病院を全国で7か所ほど指定することになり、来年度予算案の概算要求に必要な経費を盛り込むことを決めました。
ゲノム医療は、患者の遺伝情報を調べてがんの原因となった遺伝子を特定するなどしてより効果の高い治療薬を選択するもので、ことし6月、厚生労働省の協議会が大筋でまとめたがん対策の基本計画案ではこのゲノム医療の推進が掲げられました。
これを受けて厚生労働省はゲノム医療を普及させるため、今年度中に全国で7か所ほどの病院を中核となる拠点病院に指定し、専門知識を持つ医師が患者の遺伝情報の分析やその情報を生かした治療にあたるとしています。
また来年度、患者の遺伝情報や治療実績などの膨大なデータを管理する「情報管理センター」を創設し、その後、情報をデータベース化して病院や医薬品メーカーなどにも活用してもらうことにしています。
厚生労働省は将来、すべての都道府県でゲノム医療が受けられることを目指す方針で、来年度予算案の概算要求に必要な経費として20億円余りを盛り込むことを決めました。
-- NHK NEWS WEB