金融庁は、銀行などの不良債権の処理が進む一方、金融とITを融合させた「フィンテック」など新たな動きへの対応が急がれていることから、厳しい金融行政の象徴でもあった検査局を廃止するなど、来年夏をめどに組織を大幅に改編する方針を固めました。
平成13年に発足した今の金融庁は、厳格な金融検査を通じ大手銀行などに不良債権の処理を強く迫ってきましたが、不良債権問題が収束し、フィンテックなど新たな動きも出る中、金融行政の在り方を大きく変えようとしています。
このため、金融庁は、来年の夏をめどに、組織を大幅に改編する方針を固め、この中で、厳しい金融行政の象徴でもあった検査局を廃止し、主な業務を金融システム全体をチェックする監督局に統合します。また、金融行政の総合的な戦略の立案やサイバーテロ対策などを担う総合政策局、それに、市場取り引きのルールやフィンテック関連の制度などを整える企画市場局を設け、金融機関を取り巻く経営環境の変化に対応していく考えです。
金融庁は、近くこの方針を正式にまとめることにしていて、実現すれば、前身の金融監督庁以来続いてきた金融機関に対する検査や監督の体制が20年ぶりに変わることになります。
-- NHK NEWS WEB