学校法人「森友学園」の籠池泰典前理事長と妻が大阪府の補助金をだまし取った疑いで再逮捕された事件で、学園が運営する幼稚園の複数の子どもの診断書がねつ造され、補助金の申請に使われた疑いがあることが大阪地検特捜部などの調べでわかりました。特捜部は実態を詳しく調べています。
森友学園の前の理事長の籠池泰典容疑者(64)と妻の諄子容疑者(60)は、運営する幼稚園で障害のある子どもの数などを水増しし、大阪府の補助金合わせて9200万円余りをだまし取ったなどとして、21日、再逮捕されました。
大阪地検特捜部などの調べによりますと、だまし取ったとされる金のうち7000万円余りは障害のある子どもを支援するための補助金でしたが、申請の際に保護者の同意を得ていなかったうえに、一部の子どもの診断書をねつ造していた疑いがあることがわかりました。
府によりますと、幼稚園では障害がある子どもの診断書などを保護者から受け取って府に提出し、補助金を受給していましたが、5人の園児の保護者が「幼稚園には診断書を出していない」としているのに園から診断書が提出されていたということです。
大阪地検特捜部はすでに保護者らから事情を聴くなどしてこうした状況を把握していて、実態を詳しく調べています。
一方、籠池前理事長と妻は、小学校の建設工事に関係して国の補助金5600万円余りをだまし取っていたとして、21日、詐欺の罪で起訴されましたが、特捜部は、共謀があったとしていた設計会社や施工会社の担当者は、直接、利益を得ていないなどとしていずれも起訴猶予にしています。
-- NHK NEWS WEB