岐阜県瑞浪市の中央自動車道で起きた土砂崩れで、流れ出た土砂の中に近くの陶磁器原料メーカーが廃棄した発がん性物質が混じっていることがわかり、瑞浪市は近くの住民に防じんマスクを配って土砂の除去作業などの際に着用するよう呼びかけています。
岐阜県瑞浪市の中央自動車道では今月18日、沿道の斜面で土砂崩れが起きて車4台が巻き込まれ、合わせて6人が重軽傷を負ったほか、周辺の住宅地にも土砂が流れ込みました。
土砂の中には、斜面の上ある陶磁器原料メーカー「丸釜釜戸陶料」の工場から排出された大量の汚泥が含まれていましたが、瑞浪市や多治見労働基準監督署によりますと、汚泥には半導体の原料である「結晶シリカパウダー」という発がん性物質が混じっていることがわかったということです。
この物質は長期間、大量に吸い込むと将来肺ガンやじん肺になるおそれがあるということです。
市は、23日、近くの住民34世帯に対して防じんマスクを配って土砂の除去作業などの際に着用するよう呼びかけています。
住民の男性は「掃除する際に乾いた土砂が舞うので、マスクはありがたい。ほかの住民にも着けるよう伝えたい」と話していました。
また、岐阜県によりますと、会社は40年にわたって現場に汚泥を捨てていたことを認めているということで、県は、23日、本社の立ち入り検査を行うとともに、周辺で飛散した物質が環境基準を上回っていないか確認を続けています。
-- NHK NEWS WEB