ロシアのメドベージェフ首相は、北方領土をロシア独自の経済特区に指定する決定に署名し、来月予定されている日ロ首脳会談を前に、北方領土の開発は、ロシアの主権のもとで行う考えを改めて強調しました。
ロシアのメドベージェフ首相は23日、訪問先のサハリンで会合を開き、この中で、北方領土をロシア独自の経済特区に指定する決定に署名したことを明らかにしました。
メドベージェフ首相は、経済特区の枠組みのもと、漁業やインフラ整備を発展させるとしたうえで、「サハリン州の重要な地域の発展をさらに後押しする」と述べ、ロシア政府が北方領土の開発を主導する考えを強調しました。
また、この決定に合わせてロシアの極東発展省は、北方領土の色丹島に日本円でおよそ130億円をかけて新しい水産加工工場を建設し、700人以上の雇用を作る計画があることを明らかにしました。
ロシアの経済特区は、進出企業に税制上の優遇措置などを与えるもので、ロシアの管轄権の容認につながることから、日本とロシアが協議している北方領土での共同経済活動とは相いれないおそれが指摘されています。
来月初旬には、ウラジオストクで日ロ首脳会談が開かれる予定で、今回の決定は、首脳会談を前に、共同経済活動はロシアの主権のもとで行うというロシア側の立場を、改めて示したものと見られます。
-- NHK NEWS WEB