日本の企業が海外企業を買収したあと、多額の損失を計上するケースが相次いでいることを踏まえて、経済産業省は、来週、外部の有識者で作る研究会を設置し、同じようなケースを防ぐためのガイドラインの策定に向け検討を始めることになりました。
日本企業による海外企業の買収をめぐっては、東芝がアメリカの原子力子会社の経営破綻などで昨年度の決算が9600億円余りの最終赤字に陥ったほか、日本郵政もオーストラリアの物流企業の業績が悪化したことでおよそ4000億円の損失を計上するなど、期待していた効果をあげられないケースが相次いでいます。
こうした中、経済産業省は、来週、外部の有識者で作る研究会を設置し、同じようなケースを防ぐためのガイドラインの策定に向け検討を始めることになりました。研究会は、企業統治に詳しい大学教授や弁護士、それに公認会計士などがメンバーで、海外企業の買収を積極的に手がけている大手企業の役員などから直接、聞き取り調査を行うということです。
そのうえで、海外企業の買収を意思決定するにあたって経営陣が留意すべき点や、買収の効果を十分に得るための経営管理の手法などをガイドラインに具体的に盛り込むことにしています。
経済産業省は、今年度中にガイドラインを公表し、海外進出を通じて成長力の強化を図る企業の支援につなげていきたい考えです。
-- NHK NEWS WEB