人口の減少などを背景に国内市場の縮小が懸念される中、大手損害保険会社の「三井住友海上」は、1700億円余りを投じてシンガポールで最大手の損害保険会社を買収し、成長が見込めるアジア市場で事業の拡大を図ることになりました。
三井住友海上は、シンガポールで最大手の損害保険会社「ファーストキャピタル」の株式およそ98%を、カナダの大手金融グループ「フェアファックス」から買い取ることで合意しました。
買収金額はおよそ16億ドル、日本円にして1700億円余りで来年3月までに手続きを終えるとしています。
ファーストキャピタルは、シンガポールをはじめ東南アジア各国で幅広く事業を展開していて、三井住友海上としては、買収をてこに現地企業からの保険の引き受けを増やし、成長が見込めるアジア市場で事業を拡大しようという狙いがあります。
また、株式を買い取るカナダの「フェアファックス」とも提携し、今後、AI=人工知能など最先端のIT技術を使い、新たな保険商品の開発などを共同で進めていく方針です。
損害保険業界では、東京海上ホールディングスやSOMPOホールディングスもアメリカやインドで保険会社を買収するなどしていて、人口の減少などを背景に国内市場の縮小が懸念される中、海外事業を強化する動きが相次いでいます。
-- NHK NEWS WEB