手で持ち運べるサイズの超小型衛星の打ち上げに世界の関心が高まる中、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、超小型衛星専用の新しいミニロケットの打ち上げ実験を来月11日に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で行うことになりました。
大きさが10センチから数十センチ程度の超小型衛星をめぐっては、大幅な低価格化が見込めることから、新たな宇宙ビジネスの市場が広がると世界で関心が高まっています。
こうした中、JAXAは、超小型衛星専用の全長9メートル余りの新しいミニロケットの打ち上げ実験を、来月11日の午前7時20分に鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所で行うことになりました。搭載する超小型衛星は、縦・横それぞれ12センチ、長さ35センチ、重さ3キロで、地球の上空を回る軌道に投入して、地上とのデータのやり取りや地上を撮影する実験に臨みます。撮影用のカメラにはスマートフォン用のものを採用するなど、衛星の部品に広く一般に利用されている民生品を取り入れ、コストを大幅に削減しているのが特徴です。
超小型衛星とミニロケットの開発費用はおよそ4億円と、JAXAのほかの人工衛星の打ち上げに比べておよそ100分の1に抑えられています。
JAXAと宇宙ビジネスの拡大を推進している経済産業省では、今回の実験で得られるデータを民間企業に活用してもらいたいとしています。
-- NHK NEWS WEB