韓国の国会では9日、パク・クネ(朴槿恵)大統領の弾劾を求める議案が採決される見通しです。可決されれば、パク大統領の職務は停止されることになり、大統領の長年の知人らをめぐる一連の事件が引き起こした国政の混乱と大統領の進退問題は、最大の山場を迎えます。
韓国の国会では9日午後3時から本会議が開かれる予定で、野党3党が提出している、パク・クネ大統領の弾劾を求める議案が採決される見通しです。
議案の中で、野党側は、弾劾を求める理由として、大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告や側近らをめぐる一連の事件をあげ「チェ被告などに特別な利益を与えるために企業に資金の拠出を強要し、市場経済の秩序を乱した」などと主張しています。
議案の可決は、与党「セヌリ党」の中でパク大統領と距離を置く非主流派の動向が鍵を握っていますが、非主流派は、議案について、旅客船セウォル号が沈没した際の大統領の対応も弾劾を求める理由に含まれたことに難色を示してきたため、最終的に何人が賛成票を投じるのか、注目が集まっています。
一方、最大野党「共に民主党」のチュ・ミエ(秋美愛)代表など野党議員たちと支持者らは、8日夜から徹夜で国会の入り口付近などに座り込み弾劾の議案を可決させる決意を示していました。
また、国会の敷地のすぐ外では、雨が降る中、大統領の弾劾や退陣を求める市民が集会を開き、大勢の警察官が警戒するなど、ものものしい雰囲気に包まれていました。
仮に議案が可決されればパク大統領の職務は停止されて、ファン・ギョアン(黄教安)首相が代行することになり、チェ被告らをめぐる一連の事件が引き起こした韓国の政治の混乱とパク大統領の進退問題は、9日、最大の山場を迎えます。
-- NHK NEWS WEB