世界で初めての民間による月面探査レースに挑戦している日本のチーム「HAKUTO」は、月面と似た環境とされる鳥取砂丘で探査車の通信試験を行いました。
「HAKUTO」は、国内の宇宙関連のベンチャー企業や大学の研究者などおよそ100人でつくる日本のチームで、アメリカのIT企業「グーグル」などが進める世界で初めての民間による月面探査レースに参加しています。
30日は、月に環境が似ているとされる鳥取砂丘で、全長およそ60センチの月面探査車「SORATO」の通信試験を行いました。通信は、探査車を月面まで運ぶ着陸船を経由して行われることになっていて、着陸船に見立てた金属の板の上に無線機を設置して、探査車の位置を変えながら通信に問題がないかテストしていました。
また、高さ1メートル余りの起伏を作り、通信が途絶えることがないか確かめていました。
今回の月面探査レースには、日本やインド、アメリカなど世界の5つのチームが参加し、月面を500メートル走行したうえで、映像や画像を地球に送信することになっていて、最初に成功したチームには賞金20億円余りが贈られることになっています。
レースの期限は来年3月末までで、「HAKUTO」は振動や温度に対する探査車の試験を行い、ことし12月28日にインドのロケットで月に打ち上げたいとしています。
「HAKUTO」で通信を担当している清水敏郎さんは「障害物があると通信の強度が100分の1に落ちてしまうケースがあることがわかり、意義ある試験だった」と話していました。
-- NHK NEWS WEB