東京都の小池知事は、築地市場の業界団体のトップが豊洲への移転の時期を、来年9月から10月で調整したいという考えを示したことについて、業界の意向も踏まえて移転時期の検討を進める考えを示しました。
築地市場のすべての業界団体で作る「築地市場協会」の伊藤裕康会長は、先のNHKのインタビューで、豊洲への移転の具体的な時期について、今月下旬から来月にも決定したいという意向を示したうえで、「来年の秋とにらんでいるが、年末の繁忙期に向けた11月、12月は避けたい」と述べ、来年9月から10月で調整したいという考えを示しました。
これについて小池知事は記者会見で、「豊洲への引っ越しや習熟、業界から要望も出ているので、同時並行に進めていくことになる。具体的な日程はこれから詰めさせてもらいたいが、市場の関係者に真摯(しんし)に丁寧に説明を重ねていきたい」と述べ、業界の意向も踏まえて移転時期の検討を進める考えを示しました。
一方、豊洲市場の敷地内に整備される予定の観光施設の運営会社が、築地も観光拠点として再開発されれば撤退せざるをえないという意向を示していることについては、「去年、都と事業者とで基本協定が結ばれていて、これをしっかりと守っていくことが豊洲の一角のにぎわいを確保することになる。仮に事業者が都に損害賠償請求するとしたら、何をもって損害とするかは法的にチェックしないといけない」と述べました。
-- NHK NEWS WEB