日本を訪問しているイギリスのメイ首相は、日本のメディアとして初めてNHKのインタビューに応じ、ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への追加的な制裁を支持するとともに、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱の混乱を抑え、経済だけでなく安全保障の分野でも国際社会で指導力を発揮していくと強調しました。
今週日本を訪れていたメイ首相は1日、帰国を前に都内でNHKの単独インタビューに応じました。
メイ首相は、北朝鮮が日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを改めて非難したうえで、国連安全保障理事会で日本がアメリカとともに北朝鮮への石油の禁輸も視野に、より厳しい制裁決議の採択を目指していることについて、「新たな制裁決議に向け国際社会が協調しなければならないのは明らかだ。中国にも北朝鮮への影響力を行使するよう働きかけたい」と述べ、日本を支持し中国への働きかけを強めていく姿勢を示しました。
また、イギリスがEUから離脱し内向きの傾向を強めるのではないかという懸念が広がっていることについて、メイ首相は「私たちは世界の国々と貿易協定を結ぶだけでなく、軍事や安全保障の分野でもさらに大きな役割を担う『世界に開かれたイギリス』を目指している。日英間で合同軍事演習を増やすのはその象徴だ」と述べ、イギリスが経済だけでなく安全保障の分野でも国際社会で指導力を発揮していくと強調しました。
そして難航するEUとの離脱交渉について、「混乱のない秩序ある離脱が大切だ」としたうえで、「EUとの貿易を続けられるよう、よい自由貿易協定の締結を目指す。国境での障壁を最小限にとどめ、関税もできるかぎり低く抑えたい」と述べ、イギリスを拠点にヨーロッパでビジネスを展開する日本企業にも引き続き投資を呼びかけました。
-- NHK NEWS WEB