ことし5月から北朝鮮とロシア極東の間で運航されてきた北朝鮮の貨客船、初代のマンギョンボン号(万景峰)を使った定期航路が港の使用料の未払いを理由に運航を停止していることが明らかになり、北朝鮮への国連の制裁決議の影響で利用が伸び悩んでいることが背景にあると見られます。
この定期航路は北朝鮮北東部ラソン(羅先)とロシア極東のウラジオストクの間を結ぶもので、かつて在日朝鮮人の「帰還事業」などで使われた初代のマンギョンボン号が使われています。
ことし5月から週に1往復、運航されてきましたが、ロシアの港湾当局などによりますと、船を運航するロシアの会社からウラジオストク港の管理会社への港の使用料の支払いが滞っているため入港が認められず、先月24日から運航を停止しているということです。
これについて、船を運航する会社は、港の管理会社からおよそ100人の乗客を想定した使用料を求められたのに対し、実際には乗客が10人程度のことがほとんどのため支払いを拒否したところ、港の使用契約を更新できなかったと説明しています。
背景には、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる国連の制裁決議の影響で利用が伸び悩んでいることがあるとみられます。
船の運航会社の社長は「使用料の交渉を続け、できるだけ早く運航を再開したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB