厚生労働省の愛知労働局は、名古屋に本社がある運送会社が4つの事業所で月80時間を超える違法な残業を従業員にさせていたとして、4日、社名を公表しました。電通の過労自殺の問題などを受け、違法な長時間労働があった企業の名前を公表する基準が引き下げられてから企業名が公表されたのは全国で初めてです。
社名を公表されたのは、名古屋市中区にある運送会社、「大宝運輸」で、愛知労働局によりますと、4つの事業所の合わせて84人に月80時間を超える違法な残業をさせていたということです。このうち74人は、月100時間を超え、月200時間近くにのぼった従業員もいるということです。
労働局は、去年12月に違法労働の実態を把握し、その後、是正を求めてきましたが、改善が見られないとして、4日是正指導を行い企業名を公表しました。違法な長時間労働などがあった企業の名前を公表する基準をめぐっては、大手広告会社、電通の過労自殺の問題などを受けて、厚生労働省はことし1月、1年間に「3か所以上の事業所で残業時間が月100時間を超える場合」から、「2か所以上の事業所で残業時間が80時間を超えた場合」に引き下げています。愛知労働局によりますと、新たな基準での企業名の公表は全国で初めてだということです。
-- NHK NEWS WEB