ドイツ政府は国民から不十分だと指摘されている大気汚染対策のため、日本円にして1300億円の基金を設け、電気自動車の導入などを後押ししていくことを決めました。
ドイツではおととしフォルクスワーゲンが排ガス規制を逃れるためにディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していたことを認めて以来、傘下のポルシェでも同様の不正が明らかになり、政府や企業に対して大気汚染への取り組みが不十分だとの声が国民から上がっています。
これを受けてメルケル首相は4日、大気汚染問題を抱える30余りの地方自治体の代表を集めて会議を開き、10億ユーロ、日本円にして1300億円の基金を設け、今後、電気自動車の充電ステーションの拡充を始めとしたインフラの整備や公共交通機関の充実に取り組んでいくことを決めました。基金全体の4分の1にあたる2億5000万ユーロはドイツの自動車メーカーが負担することになっています。
会議のあと会見したメルケル首相は「ディーゼル車を走行禁止にしなくていいように、できるだけの対策を実施したい」と述べ、早急に大気汚染対策に取り組む姿勢を示しました。
ドイツの自動車メーカーはすでに国内で販売した530万台のディーゼル車について排ガスを制御するソフトウエアを更新することを決めていますが、政府は大気汚染対策として不十分としており、引き続き具体的な対策を検討していくことにしています。
-- NHK NEWS WEB