ロシアのプーチン大統領は、6回目の核実験を行った北朝鮮を非難する一方、北朝鮮への新たな制裁については「効果的ではない」として、国連の安全保障理事会でさらに厳しい制裁を科すことを目指すアメリカをけん制しました。
新興5か国で作るBRICS首脳会議に出席するため中国を訪問したロシアのプーチン大統領は5日、会場となった福建省アモイで記者会見を開きました。
この中でプーチン大統領は、北朝鮮が6回目の核実験を行ったことについて「北朝鮮の行動は挑発的であり、ロシアはこれを非難する」と述べました。
その一方でプーチン大統領は、北朝鮮はアメリカの軍事介入によってイラクのフセイン政権が崩壊したことを覚えていると指摘したうえで、「このような状況では、制裁は意味がないし、効果的でもない」と述べ、北朝鮮に対しさらに厳しい制裁を科す新たな決議案を近く国連安保理に提出する予定のアメリカをけん制しました。
さらに、プーチン大統領は、軍事的な圧力の強化は地球規模の大惨事を招きかねないとしたうえで、「すべての関係国は対話に向かうべきだ」と述べて、中国と同じ立場から、アメリカや北朝鮮に対し対話に踏み出すよう呼びかけました。
またプーチン大統領は、アメリカ政府が先月、北朝鮮の核ミサイル開発の資金を断つためだとしてロシア企業などに独自の制裁を科したことを踏まえ、「北朝鮮とロシアを同列に置きながら、北朝鮮への制裁で協力してほしいというのはばかげている」とも述べました。
-- NHK NEWS WEB