日銀のマイナス金利政策の影響で定期預金の金利が下がったことから、お金を普通預金に移す動きが広がっていて、いつでも引き出せる「預金通貨」の残高が、先月は去年の同じ月より9.6%増えて、過去最高を更新しました。
日銀によりますと、世の中に出回った現金や預金などの通貨量の残高は、先月は、1か月間の平均で1273兆円余りと、去年の同じ月より3.4%増えました。
このうち、金融機関に預けられた普通預金や当座預金などいつでも引き出せる「預金通貨」の残高は、585兆円余りと、去年の同じ月より9.6%増えて3か月連続で過去最高を更新しました。また、伸び率も、13年8か月ぶりの高い水準になりました。
これは、日銀のマイナス金利政策の影響で、金融機関が定期預金の金利を引き下げたことから、個人や企業がお金を普通預金に移す動きが広がっているためです。
今後の見通しについて、日銀は、「アメリカ大統領選挙を受けて、資金を株式などへの投資に振り向ける動きが出ないか注目しているが、低金利が続く中、普通預金にお金を移す傾向は当面、続くのではないか」と話しています。
-- NHK NEWS WEB