核実験を強行した北朝鮮に対し、国連の安全保障理事会で新たな制裁決議を目指すアメリカは、北朝鮮への石油の輸出を禁止しキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の資産を凍結するなどとする決議の草案を各国に示しました。しかし、中国とロシアは追加制裁に慎重で、アメリカの思惑どおり来週の採決に持ち込めるのか予断を許さない情勢です。
北朝鮮が今月3日に6回目の核実験を強行したことを受けて、アメリカは日本などとともに、国連安保理で北朝鮮に追加の制裁を科す新たな決議の採択を目指していて、6日、決議の草案を安保理のメンバー国に示しました。
NHKが入手した決議の草案は、追加の制裁について、北朝鮮への石油や天然ガスの輸出を全面的に禁止するほか、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の海外の資産を凍結し渡航も禁止するとしています。
また、原則として各国が北朝鮮労働者を雇用することや、北朝鮮企業と合弁事業を行うことも禁止しています。
この草案について、日本の国連外交筋は「これまでにない極めて強力なものだ」と評価しています。
アメリカのヘイリー国連大使は、先の安保理の緊急会合で、「事態は急を要する」として今月11日に決議案の採決を目指す意向を示しています。
しかし、追加制裁に慎重な中国やロシアが石油の輸出制限やキム委員長に対する制裁に容易に応じるとは考えにくく、各国の間で激しい駆け引きも予想されることから、アメリカの思惑どおり早期の採決に持ち込めるのか予断を許さない情勢です。
-- NHK NEWS WEB