「週刊文春」を発行する文藝春秋の社員が、出版取り次ぎ会社を通じて発売前の「週刊新潮」の中づり広告を見ていた問題で、文藝春秋の社長が、週刊新潮を発行する新潮社に対して謝罪の文書を手渡していたことがわかりました。
この問題は、ことし5月、週刊文春を発行する文藝春秋の社員が、出版取り次ぎ大手のトーハンの担当者を介して、発売前のライバル誌、週刊新潮の中づり広告を事前に見ていたことがわかったもので、トーハンのその後の内部調査で、6年前から恒常的に行われていたことが明らかになりました。
これについて文藝春秋の松井清人社長が、5日、新潮社を訪れ、謝罪の文書を手渡していたことがわかりました。文書では「中吊り広告を長期にわたり借り受けていたことを認め、社としておわびいたします」としたうえで、「不適切な取扱いと指摘されてもしかたのない行為であったことを認め、今後、このようなことがないよう徹底いたします」と記しています。
さらに、週刊新潮が同じような内容の記事を掲載することを知りながら、あたかも週刊文春の独自スクープであるかのような速報をWEBサイト上で先に流した事例があったことを認め、これについても謝罪しています。
両社によりますと、問題が発覚したあと話し合いを続けた結果、今回の謝罪に至ったということで、新潮社は「この謝罪を受け入れ、今後は互いに切さたく磨し、出版ジャーナリズムを盛り上げていこうと思います」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB