未知の自然現象に挑む独創的な基礎研究を支援しようと去年、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典さんが、主に若手の研究者を対象に研究費を助成する新たな財団を設立したと発表しました。
新たな財団は、ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典さんが、日本では基礎研究がおろそかにされ次世代の基礎科学の研究者が育たなくなりつつあるとしてその現状を変えたいと設立したものです。
会見した大隅さんによりますと財団では、主に若手の生物学の研究者を対象に研究費を助成するということで早ければ来年度から助成を始めたいとしています。
審査には、大隅さん自身も目利き役として参加するということです。
助成金は、大隅さんがノーベル賞などの賞金から1億円を拠出したほか、企業や団体、それに個人の寄付によってまかなわれるということです。
日本の科学研究をめぐっては、ここ数年、相次いでノーベル賞の受賞者が出る一方、科学技術の論文数で中国やドイツに抜かれるなど基礎研究の力量の低下を指摘する報告が出されています。
大隅さんは、去年にも1億円を寄付して東京工業大学に同様の基金を設立していて会見では、「なかなか支援が受けにくい挑戦的な研究を発掘、支援し日本の科学に漂う閉塞感を取り払いたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB