アメリカのティラーソン国務長官は、中国の楊国務委員と会談し、国連の安全保障理事会が採択した北朝鮮に対する新たな制裁決議を着実に履行するとともに、圧力を一段と強めるよう求めたものと見られます。
アメリカのティラーソン国務長官は12日、中国で外交を統括する楊国務委員とワシントンで会談し、北朝鮮情勢などについて意見を交わしました。
会談の詳しい内容は明らかになっていませんが、アメリカ国務省のナウアート報道官は、会談前の記者会見で、国連安保理で11日に採択された北朝鮮に対する新たな制裁決議に中国も賛成したことを評価したうえで、「北朝鮮の貿易の90%は中国経由だ。われわれは中国がもっとできると期待している」と述べました。
このため、ティラーソン長官は、中国側に対し制裁決議を着実に履行するとともに、北朝鮮への圧力を一段と強めるよう求めたものと見られます。
一方、ムニューシン財務長官は、アメリカメディアのインタビューで、「中国が制裁措置を実行しなければ、アメリカは中国に追加の独自制裁を科してドルを基軸とする国際金融システムから排除する」と述べ、中国をけん制しました。
さらに、ソーントン国務次官補代行も、議会での証言で、「中国がこの数日の間に大手銀行に対して北朝鮮のための口座開設を禁じる措置を通知した」と述べたうえで、中国がさらに協力しなければ独自制裁を科す考えを示しており、トランプ政権は中国への働きかけを一層強める構えです。
-- NHK NEWS WEB