経営再建中の東芝は、決定が遅れている半導体事業の売却先について、20日の取締役会で協議する方針ですが、売却先の候補となっているグループから新たな提案が示され、売却先の行方は依然として不透明な状況です。
東芝は、半導体子会社の東芝メモリを早期に売却して、来年3月末までに債務超過を解消することが経営再建への課題となっています。
こうした中、東芝と半導体事業で提携するアメリカのウエスタンデジタルは、これまで東芝メモリの経営の主導権を握ることを求め、ほかのグループへの売却を阻止する動きを見せてきました。
これに対し東芝は先週、日米のファンドや韓国の半導体メーカーで作る“日米韓連合”側と早期の契約を目指して協議を進めるという覚書を交わし交渉を進めていましたが、ウエスタンデジタル側は新たに、東芝に譲歩した形の買収案を示しました。
この案では、ウエスタンデジタルは半導体事業での提携は続けるものの、東芝メモリに出資はせず経営への影響力を抑えます。また、官民ファンドの産業革新機構が東芝メモリの議決権の過半数を握り、筆頭株主として経営の主導権を確保するとしています。
東芝は20日の取締役会で今回の提案を含めて検討する見通しですが、東芝の社内にはこれまで対立が続いていたウエスタンデジタルへの不信感も根強く、売却先の行方は依然として不透明な状況です。
-- NHK NEWS WEB