6年前、静岡県浜松市の天竜川で、川下りの舟が転覆し5人が死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた船の運航会社の3人のうち、元船頭主任の男性について、2審の東京高等裁判所は「事故の当時、危険性を認識できたとは考えがたい」として1審の有罪判決を取り消し、無罪を言い渡しました。
平成23年8月、浜松市の天竜川で乗客ら23人が乗った川下りの舟が転覆し、2歳の男の子を含む乗客4人と船頭の男性の合わせて5人が死亡し、船を運航していた会社の元営業課長と元船頭主任、それに転覆した船に乗っていた元船頭の3人が業務上過失致死の罪に問われました。
1審の静岡地方裁判所は「事故を予測できたのに安全対策を怠っていた」として3人にいずれも執行猶予のついた有罪判決を言い渡し、元船頭主任の小山正博さん(68)が控訴していました。
20日の2審の判決で東京高等裁判所の大島隆明裁判長は「これまで転覆事故が発生したことはなく、事故の当時、現実的な危険性を認識できたとは考えがたい」として1審の有罪判決を取り消し、小山さんに無罪を言い渡しました。
船の運航会社の元営業課長と元船頭の2人は1審判決に対して控訴せず、執行猶予のついた有罪判決が確定しています。
-- NHK NEWS WEB