安倍総理大臣は、ニューヨークのウォール街にある証券取引所で演説し、衆議院の解散・総選挙で掲げる「人づくり革命」に関連して、消費税率を10%に引き上げた際の増収分の使いみちを見直し、幼児教育や高等教育の無償化に充てることに強い意欲を示しました。
国連総会に出席するためニューヨークを訪れている安倍総理大臣は日本時間20日夜、ウォール街にあるニューヨーク証券取引所で4年ぶりに演説しました。
この中で、安倍総理大臣は、「今こそ日本経済が抱える、大きな構造的な問題、最大の壁に立ち向かうときだ。それは急速に進む少子高齢化、人口減少という課題だ。そのために『生産性革命』と『人づくり革命』という2つの旗を掲げて全力で取り組む決意だ」と述べました。
そして、『生産性革命』の実現に向け、ロボットや人工知能など最新技術によって生産性の向上を図ると同時に、期間を限定して個別の企業を対象に規制緩和を行う「サンドボックス」と呼ばれる、新たな規制緩和などに取り組む考えを示しました。
また安倍総理大臣は、『人づくり革命』の具体策として、社会保障を現役世代にも振り向け『全世代型』の制度に改革するとともに、保育や介護サービスの充実、幼児教育と所得の低い世帯の子どもを対象とした高等教育の無償化を実現する考えを表明しました。
そして、「『人づくり革命』の実現には大きな財源が必要となる。しかし日本の未来を拓くために私はこの問題からも逃げることなく答えを出す」と強調しました。
安倍総理大臣は、衆議院の解散・総選挙では、再来年10月に消費税率を10%に引き上げた際の増収分の使いみちを見直し、幼児教育や高等教育を無償化するための財源に充てることを訴える方針で、今回の演説はその実現に強い意欲を示す形となりました。
-- NHK NEWS WEB