あらゆる設備や製品をインターネットで結ぶ「IoT」と呼ばれる技術が普及すると、利便性が高まる一方で、サイバー攻撃を受けるおそれも高まることから、大手電機メーカーの間では、被害を防ぐ体制や人材の育成を強化する動きが広がっています。
「IoT」は、あらゆる設備や製品をネットとつなぐ技術で、工場の生産性を高めたり、消費者向けに画期的なサービスが開発されたりといった効果が期待される一方で、サイバー攻撃の被害が広い範囲に及ぶことも懸念されています。
こうした中、ことし5月にあった世界規模のサイバー攻撃で、社内のシステムが使えなくなる被害を受けた大手電機メーカーの「日立製作所」は、グループ全体で一元的に対策を進めるための組織を来月、設けることを決めました。
新たにつくる「情報セキュリティリスク統括本部」は、800社を超えるグループ企業のすべての設備や製品に対するサイバー攻撃を24時間体制で監視し、被害を食い止める対策を検討します。
一方、人材育成を強化する取り組みも広がっていて、富士通はサイバー攻撃に詳しいシステムエンジニアを、2019年度までに今の4倍以上の1万人に増やす計画です。
NECは、セキュリティー関連の技術者を来年度までに今より20%多い1200人に増やす方針で、IoTの普及に合わせて、自社や顧客企業向けにサイバー攻撃への備えを強化する動きが広がっています。
-- NHK NEWS WEB