業績不振が続き、ソニーから3年前に独立したパソコンメーカーの「VAIO」は、スマートフォンの普及で個人向けパソコンの市場の拡大が見込めないとして法人向けに軸足を移す方針で、21日、新製品を発表しました。
「VAIO」は、ソニーが売却したパソコン事業が母体で、21日、法人向けに開発した新製品を発表しました。
新しいパソコンは、バッテリーを含めた重さが840グラムと、今の最も軽い機種よりおよそ10%軽量化したほか、新幹線や公共の場所でも作業がしやすいようにキーボードの音を大幅に抑えたということです。
さらに、パソコンを紛失しても、遠隔操作でデータを消去できるようにするなどセキュリティーを強化したということです。
「VAIO」は、売り上げの大半を占めていた個人向けのパソコンが、スマホやタブレット端末の普及で市場の拡大が見込めないとして、本格的な経営再建に向けて、法人向けに軸足を移す方針です。
調査会社の「MM総研」によりますと、国内の法人向けパソコン市場で、「VAIO」のシェアは1%台にとどまっています。
花里隆志執行役員は、「個人向けの販売は浮き沈みが激しく安定しなかった。今後はビジネスの現場で選んでもらえるパソコンを目指していきたい」と話しています。
日本のパソコンメーカーの間では、今後も一定の需要が見込める法人向けを強化する動きが広がっています。
-- NHK NEWS WEB