アメリカ軍で弾道ミサイル防衛を担う戦略軍のハイテン司令官は、現在の防衛システムを使った北朝鮮の弾道ミサイルの迎撃に自信を示す一方、北朝鮮のミサイル開発技術が進展していると見られることを踏まえ、ミサイルを探知するセンサーなど迎撃能力を向上させるべきだと強調しました。
アメリカ戦略軍のハイテン司令官は、20日、首都ワシントンで講演し、北朝鮮の弾道ミサイルの迎撃に向けて構築してきた現在の防衛システムについて、「かなり自信がある」と述べ、アメリカ本土やグアムを防衛する十分な能力があると主張しました。
その一方で北朝鮮のミサイル開発技術が進展していると見られることを踏まえ、ミサイルを探知するため衛星などに搭載するセンサーや、迎撃ミサイルの性能を向上させるべきだと強調しました。
また、ハイテン司令官は、防衛システムを強化するため、前のオバマ政権では予算の都合から導入が見送られた弾道ミサイルを破壊する強力なレーザー光線の導入も検討すべきだという考えを示しました。
一方、ハイテン司令官は、弾道ミサイルの開発をめぐる北朝鮮とイランとの協力関係について直接の言及を避ける一方、「イランは弾道ミサイルの開発を加速させている」と述べ、強い懸念を示しました。
アメリカ政府の当局者によりますと、この数年間、イラン企業のミサイルの技術者たちが北朝鮮を訪れ、ロケットブースターの開発を共同で行っているとして警戒しているということです。
-- NHK NEWS WEB