天皇皇后両陛下は、21日、埼玉県深谷市を訪れ、地元出身の明治時代の実業家、渋沢栄一ゆかりの文化財などをご覧になりました。
両陛下は、20日から私的な旅行で埼玉県を訪れていて、21日は、深谷市にある国の重要文化財の「誠之堂」を訪ねられました。
「誠之堂」は、深谷市出身で、国内初の銀行や数多くの企業の設立に関わり、「近代日本経済の父」と呼ばれる実業家、渋沢栄一の77歳の喜寿を祝って、大正5年に建てられた建物です。
イギリス風のれんが造りでありながら、壁にある「喜寿」の文字などは東洋風のデザインで描かれていて、両陛下は、大正時代を代表する文化財を熱心にご覧になっていました。
続いて両陛下は、渋沢栄一の生誕の地に足を運ばれました。
渋沢の生家は現在は残っておらず、両陛下は、明治時代に妹夫婦が建て、渋沢家の住まいなどに使われた「中の家」と呼ばれる屋敷をご覧になりました。
ここには、東京に住んでいた渋沢が毎年帰省した際に寝泊まりしていた部屋が残されていて、天皇陛下は、床の間の柱などを見て、「立派ですね」などと話されたということです。
このあと、両陛下は、市内にある渋沢栄一記念館も視察し、2日間の日程を終えて東京に戻られました。
-- NHK NEWS WEB