ことし3月、沖縄から大阪行きのフェリーを利用しようとした電動車いすの男性が、船会社から乗り降りの際の安全確保に不安があるなどという理由で乗船を断られていたことがわかりました。男性から申し立てを受けた、沖縄県の調整委員会は「差別的だと疑われかねない」として、船会社に対し、対応の改善を求めました。
ことし3月、電動車いすで沖縄に旅行に来ていた兵庫県の脳性まひの41歳の男性が、鹿児島県に本社があるマルエーフェリーの那覇発大阪行きの便を予約して乗ろうとしたところ、乗船直前に乗り降りや船内での安全確保に不安があるという理由で利用を断られました。
男性は後日、船会社に対し、乗船拒否を差別と認めることや沖縄県内での宿泊を余儀なくされたなどとして損害賠償を求めました。
船会社は男性に対し、「十分な説明をしないまま不快な思いをさせたことを心よりおわび申し上げます」と謝罪する一方、差別ではなく、損害賠償についても応じないと回答していました。
こうした会社側の対応を受けて、男性は沖縄県の調整委員会に、差別と認めることや損害賠償を求める申請をし、委員会は先月「差別的だと疑われかねず、あらゆる方策を検討して乗船方法を考えるべきだった」として、船会社に対応の改善を求めました。
一方、損害賠償については「司法的な判断が必要だ」として、審議しないと結論づけました。
-- NHK NEWS WEB