アメリカのトランプ大統領は北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源を遮断するため、大統領令を出して、北朝鮮と取り引きする企業などに追加の制裁を科す構えを示し、中国やロシアに対して、より自発的な対応を促す狙いもあるものと見られます。
トランプ大統領は、国連総会に合わせて日本時間の22日未明、ニューヨークで安倍総理大臣と韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領との3か国首脳会談に臨みました。
会談の冒頭、トランプ大統領は「北朝鮮と取り引きしたり、資金面で支援したりしている個人や企業などを標的にするための政府の権限を大幅に拡大する大統領令に署名した」と述べ、北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源を遮断するため、財務省の権限を拡大させる大統領令に署名したことを明らかにしました。
この大統領令は、今後、北朝鮮と取り引きする企業などに適用されるとしていて北朝鮮に出入りした船舶や航空機を対象とするほか、北朝鮮国内で建設業や漁業、情報通信などの産業に従事する個人も対象となるということです。
そのうえでトランプ大統領は、「中国の中央銀行はほかの銀行に対して直ちに北朝鮮との取り引きをやめるよう通達を出した。習近平国家主席がとった非常に大胆で思いがけない対応に感謝する」と述べ、中国の取り組みを評価しました。
トランプ政権は、北朝鮮と取り引きのある中国やロシアの企業などを対象にした追加制裁に踏み切るのではないかという見方も出ていましたが、独自の追加制裁を科す構えを見せるにとどめた背景には、中国やロシアに、より自発的な対応を促す狙いもあるものと見られます。
-- NHK NEWS WEB