大手広告会社「電通」が社員に違法な残業をさせたとして労働基準法違反の罪に問われている事件は22日、初公判が開かれます。電通の山本敏博社長は起訴された内容を認め、謝罪するものと見られ、残業の実態や再発防止策についてどう説明するか、注目されます。
電通は、新入社員だった高橋まつりさん(当時24)が過労のため自殺したことをきっかけに捜査を受け、高橋さんなど社員4人に違法な残業をさせたとして労働基準法違反の罪に問われています。
検察は非公開の略式の手続きで電通を起訴しましたが、裁判所は公開の法廷で正式な裁判を開くことを決め、22日午前11時から東京簡易裁判所で初公判が開かれます。
被告の電通は代表として山本敏博社長が法廷に出て、違法な残業だったことを認め、謝罪するものと見られます。一方、検察は、電通が労働局から是正勧告を受けたあとも高橋さんなどに違法な残業をさせていたことを挙げ、事件の背景に電通の企業風土があったことを指摘するものと見られます。
また、山本社長に対する質問も行われる予定です。働き方改革の議論に大きな影響を与えた違法な残業の実態や再発防止の取り組みについて、電通のトップがどのように説明するか、注目されます。
-- NHK NEWS WEB