干ばつなどの影響で輸入牛肉の高値傾向が続く中、大手商社は比較的価格が手ごろな外国産の豚肉の需要が高まっているとして、販売を強化しています。
このうち、住友商事の子会社は、4つの品種を掛け合わせたアメリカ産のブランド「四元豚」の販売が好調で、今年度の販売量は、前の年度より10%ほど増える見通しです。脂身の口溶けをよくしたのが特徴だということで、昨年度は1万800トンだった年間の販売量を再来年度までに60%以上増やして1万8000トンとする計画です。
一方、伊藤忠商事は、カナダのグループ会社が生産するブランド豚の販売量を今年度は昨年度より10%ほど多い、およそ5万トンと見込んでいます。小麦中心の餌で育てることによるさっぱりとした味が特徴だということで、来年度は販売量を一段と増やし、7万5000トンにすることを目指しています。
大手商社が外国産の豚肉の販売を強化している背景には、輸入牛肉が干ばつなどの影響で高値傾向となっているうえ、アメリカ産などの冷凍牛肉にセーフガードが発動され、さらに値上がりする可能性が指摘されていることがあります。
伊藤忠商事の鯛健一畜産部長は「豚肉の輸入を拡大する環境は整っている。来年春には工場を拡張する計画で、日本のマーケットへの販売をさらに増やしたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB