鉄道車両メーカー大手のドイツのシーメンスとフランスのアルストムが、鉄道事業を統合する方針を発表し、世界の鉄道市場で、急速に存在感を高める中国のメーカーに対抗して、ヨーロッパ勢で受注獲得を目指す狙いです。
ドイツのシーメンスとフランスのアルストムは、26日鉄道事業を統合することで基本合意したと発表しました。新会社の株式を50%ずつ持ち合う形で、来年中の統合を目指すとしており、実現すれば、売り上げは、日本円でおよそ2兆円に達します。
高速鉄道の分野で高い技術力を持つ両社は、それぞれドイツのICE、フランスのTGVを製造し、世界の鉄道市場では、カナダのボンバルディアと合わせてビッグ3と呼ばれ、圧倒的なシェアを占めています。
ただ、2年前に中国の大手2社が合併して誕生した中国中車が、急速に存在感を高めていて、受注の獲得競争が激しくなっています。
両社のトップは、27日パリ市内で記者会見し、アルストムのプパールラファルジュCEOが、「中国は、とても強く日本も含め競争相手は増えているが、統合によって技術革新を進めることで、他社をリードできる」と述べて、ヨーロッパ勢で対抗し、受注獲得を目指していく考えを示しました。
成長が見込まれる世界の鉄道市場では、日立製作所なども受注獲得に力を入れていて、業界再編が日本企業の戦略に、どのような影響を与えるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB