今のハイビジョンの16倍という鮮明な画質の映像を撮影できる「8K」のカメラを搭載した内視鏡をベンチャー企業が開発し、医療機関に販売を始めると発表しました。
医療機器のベンチャー企業「カイロス」が開発したのは、8Kのカメラを搭載し、最大3300万画素の鮮明な映像で人間の体内を撮影できる内視鏡のシステムです。
8Kの内視鏡では、今のハイビジョンの16倍という鮮明な画質で体の内部を調べることができ、赤血球や髪の毛の10分の1以下の細さの手術用の糸もはっきりと捉えることができます。
また、大型の専用モニターを通して、これまでの内視鏡では見ることができなかった細かな血管や神経を映し出すこともできます。
会社では、細かな神経を傷つけることができない手術などに用いることができ、内視鏡手術の安全性を高めたり手術時間を短縮したりする効果が期待されると説明していて、29日から大学病院などの医療機関に販売を始めます。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて8Kのテレビの普及が期待されていますが、今後、医療分野での活用も活発になりそうです。
内視鏡を開発した「カイロス」の千葉敏雄会長は「外科医の方に実際に体験してもらい、活用できる手術領域を広げてもらいたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB